あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私は佐川さんに立たされながら、テーブルの上を見た。
そこには佐川さんが注文した私の好きな料理が並んでいる。
どのお皿もまだ半分ほど残っている。
「良いから。」
佐川さんはそのまま私を引っ張って、店の入り口そばの待合の椅子に座らせる。
そして自分は支払いを済ませて、私の所に戻って来た。
私はそのまま佐川さんに外に連れ出された。
「今日は佐川さんのお別れ会ですから、私が払います。」
私が財布を出そうとすると、佐川さんは身体の向きを変えて歩き出してしまった。
「佐川さん。」
私は佐川さんを呼び止めようとした。
でも佐川さんは立ち止まるどころか、ずかずかと歩いて行く。
私は緊張の糸が切れてしまった。
力が抜けて、その場にしゃがみ込んでしまった。