小さな恋の物語 *短編集*
「もう外も暗いし送ってくよ」



 そうにこやかに微笑みながら言った辻井先生。



 …………えっ? い、今なんて……。



「……佐藤、聞いてる?」



「へっ!? あ、はい!」



 ヤバいヤバい。一瞬、固まってたよ……。



 でも、さすがに先生に送ってもらうのってダメな気がする。



 ほら、あまり先生と生徒が親密になったらいけないでしょ?



「ありがたいですけど……。わざわざ送ってもらうのも悪いですから大丈夫ですよ」
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