小さな恋の物語 *短編集*

「お前、色々と大丈夫か？」



「…………えっ？　大丈夫って……？」



　いきなり言われた「大丈夫か？」の言葉。



　よく分からなくて首を傾げる。




「あ～……。唐突すぎたな、ごめん」



　私がよく分かっていないのを察してくれたらしい辻井先生は申し訳なさそうに謝る。



　そして続けて言葉を繋いだ。




「進路のこと。さっき職員室から出てきた時、思い悩んだような顔してたから気になって」



　…………嘘、私そんな顔……。