四色恋模様
「うわっ、すっげー美人!!誰だろあの子」
「かっこいい〜〜!名前知りたいな〜!」
周りはいつの間にか舞花とせいの存在に気付いて2人のことばっかり話している。
ここで私が2人のとこに行ったら、「あの子何?」状態だな…。
「なな〜〜!あったよ、名前〜」
ハッとすると結人が息を切らしてこっちに来ているところだった。
「なんでそんな息切れしてんの?!」
ハァ、ハァ、と息を切らしている結人の背中に手を当ててさする。
「クラスお前ら3人は3組で、俺だけ4組だよ〜〜!!」
「え〜?!」
ガックリと膝から崩れ落ち四つん這いになって頭を垂れる結人。
「ちょ、そんなに落ち込まなくても…」
結人の肩に手を当てて顔を覗き込もうとすると、黒い何かが視界の中に写った。
「あ、せい…と舞花」
いつの間にかこっちに来ていたせいと舞花。
黒い何かはせいの髪の毛だったみたい。
「なに?結人だけ4組とかウケる」
ふはは、と笑うせいが結人の背中をポンポン、と軽く叩いていた。
「お前〜〜ウケるって酷すぎたろ!ウケるって!」
結人は泣きそうな声でせいに向かって言う。
「別に結人はすぐ友達できるから心配してないけどね」
この性格だもん。心配なんかしてないし。
私の言葉に励まされたのか結人の顔がパァっと明るくなった。
「だよなー!俺すぐ友達できるもんなー!」
単純なだけか…。
そんな結人を見て、ふふっと後ろで舞花は微笑んでいた。