ミルト


「おはよー、姫喜ちゃん。」



「おはよう。鈴ちゃん。」



「おっおはよー、桐山くん。」



「あぁ」








コイツ、
こんな可愛いレイちゃんに"あぁ"!?


許すまじ。




私はこっそり
足を踏み潰す。


奴がにらんでくる。


そしてこめかみを指差してくる。


今朝のメガネ殺人事件を
まだ根に持っているらしい。






「姫喜ちゃんって、
パレード見に行ったことある?」






急に話をふられたので
少し驚く。


だが、
驚いた表情など見せずにニコリと笑う。






「うんっ

去年というか二年生のときに
ボランティアで行ったよ」






実は私、
学校では"姫"というあだ名がある。


いや、
他にもあって…


"ユリ"だとか"バラ"だとか
"ミス翠湖"だとか…


とにかく
たくさんあだ名がある。





(私の学校は翠湖中学校という)






「…ハァ」








上から
大きなため息が聞こえる。






「桐山くん、
今日はコンタクトなんだね。」






「あぁ」






とまた素っ気ない。

そのまま教室に向かう。








「ゴメンね、あんな奴で…」



「…カッコいい」











「はあぁ!!?」



「えっ?姫喜ちゃん?」





「ううん、なんでもないよ」



















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