冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
姉家族と別れ、タクシーを拾って東京駅に向かう。
熱海には新幹線「こだま」で向かっても1時間とかからない。
まだ夏休み前のシーズオフ。
朝10時過ぎの車内は、程よい乗車率でゆったりと座れていた。
私が窓際に座り、亮介が通路側。
新幹線がホームを滑り出す頃には、式までの激務から結婚式までのハードスケジュールが祟って、亮介はすぐに眠り込んでしまった。
腕を組みながら少し俯いて目を閉じている諒介の横顔をそっとみつめる。
最近はコンタクトにしているけれど、家の中やオフはメガネになる。
今日はリラックスしたいのか、メガネ姿で家を出て来た。
そのメガネをかけたまま、瞑った目は横から見ると長いまつ毛が更に長く見える。
「マスカラ付けたら似合いそう」
小さな独り言をつい言葉にしながら、そのまつ毛を触りたくなってそっと手を伸ばす。
「そんな趣味はないけど」
亮介はその手をグッと掴んで私を強く自分の胸に引き寄せた。
「わ!」
亮介の胸に顔を埋める形になる。
「ちょっと」
小さく抵抗する私を更にギュッと腕の中に納めて身動きを取らせないようにする。
「ヤバ…もうシタくなって来た」
髪の毛に唇を寄せて破廉恥な言葉を吐く亮介に、ふしだらに波打つ私の心臓。
一応は抵抗してみるものの、離そうとしない亮介が更に甘く官能的な声で私の耳元に囁く。