冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
「夏希、この二人は大学時代の友人と先輩。二人も婚約してるんだよ」
「そうなんですか?おめでとうございます」
さっきから亮介にべたべたしているこの女性の婚約者が目の前にいるってことですよね?
「婚約者じゃないから!」
桃子さんは即否定。
その様子をやわらかい笑顔で見ている図体のでかい男性は何とも思っていないのかな?
「亮介、婚約者じゃないようだ、俺ら。なら、許嫁とでも言っておくかな」
男性が呑気に言う。
「はぁ?!何寝ぼけてるのよ!親同士が勝手に決めたんでしょ」
「だから許嫁だろ?」
「!」
いきなり始まった言い争いに私が唖然として、亮介の顔を見ると「また始まった」と呟いて呆れ顔をしている。すると私の顔を見て
「いつものことだから、心配しなくていいよ」
と言うものの、そのいつものことが私にはわからないからオドオドと二人を見ていた。
するとシビレを切らした亮介が
「ねぇ、俺たち一応お客なんだけど…早く宿に案内して下さいよ。」
遠慮もなく言い放つ。
「あ、悪い」
最初に謝ったのは男性で、桃子さんは無言で我先にと勝手に車に乗っていた。
しかもなぜか後部座席。