冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
「おっと!」
「キャ、すみません」
顔面から遠藤さんの胸にぶつかって視界が遮られる。
その時だった。
ピカ!!!! ゴロゴロゴロ!!!!
雷が大きな音を立てた。
「キャーーーー!!!!!!!!」
思わず遠藤さんの胸に飛び込んでしまった。
「大丈夫?」
「あ、すみません」
胸に飛び込む早さと同じくらいの素早さで、遠藤さんの胸から離れた…
はずだったのに、遠藤さんが私の背中に回した腕に力が入り、そのまま胸から離してもらえない。
えっ?どういうこと?
理解できない事が起きている。
誰が見てもこれはおかしいシチュエーションだ。
新婚旅行先で新妻が出逢ったばかりの男性に抱きしめられているんだから。
とにかく遠藤さんから離れなくっちゃ。
けれど離れようとすると遠藤さんがもっとギュッと抱きしめてくる。
そう言えば、旅館に着いて早々もこんなシチュエーションがあった。
「あの…いったいコレはどういう事でしょうか」
あなたは私の旦那様の先輩で、婚約者もいる方ですよね?
世の中の男性ってこんなものなのだろうか?
亮介にはそういうところが見えないから不思議でならない。
「ごめんね、もう少し我慢してもらってもいい?」
周りに人なんていないのに何故か耳元に唇を寄せて小声で話してくる。
耳元に息がかかりくすぐったくて身をよじる。
「意味がわかりません!我慢って何ですか?!」
抵抗して体を離そうとしているのに、遠藤さんは更に力を入れてグッと自分に引き寄せて来た。
さっきよりもずっとずっと強い力で。
「やめてください!」
「あと少しだから」
意味不明な言葉と、何も変わらない表情に困惑する。
「あと少しって何がですか!!!!」
遠藤さんから何度も離れようとモゾモゾしても腕に力を入れられて密着度が増す。