冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!


遠藤さんにとって桃子さんが大切な人だなんて、私はすぐにわかったのに。


「言葉にしなきゃわからない?」

コクンと頷く桃子さんのそばに遠藤さんがそっと近づく。
今度は私達の存在が逆に見えていない。


遠藤さんはそっと延ばした手で桃子さんの頬に触れた。
まるでガラスを触るように優しく。
伏せている桃子さんの瞳から落ちた涙が光って見えた。

それを見ていたら鼻の奥がツンと痛くなる。
なんかいいなぁ…
二人の姿が霞んで見え始めた頃、隣にいた亮介が私の顔を覗き込む。


「えーーー夏希!?なんで泣いているの?」

亮介が慌てて私の肩をつかんだ。


「先輩になんか嫌な事されたとか?」

遠藤さんをキッと睨みつけた。
どうしてこうも話がややこしくなるのだろうか…
さっきまで感動で出ていた涙も引っ込んだ。


「いや、これはもらい泣きで…」


「えっ?もらい泣き?」


「・・・状況でわかるでしょうに!」


「はぁ、びっくりしたぁ」

私達のやり取りを今度は遠藤さんと桃子さんが目をまんまるにして見ていた。
目が合った4人は一斉に吹き出して大笑いした。

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