登山ガール
私の我がままでいい。
もっと一緒にいたい。
もっと沢山お話がしたい。
もっと雄介さんのことが知りたい。
「分かった。一緒に行こうか。」
「はい。」
私は雄介さんの背中を追った。
「男坂と女坂ってなにが違うんですか?」
「俺も初めて登った山だから分からないや。多分、傾斜だと思うよ。女坂の方が緩やかなんじゃないかな。あっ、ごめん。それなら、俺が女坂の方を一緒に行った方がよかったね。」
雄介さんが謝る。無理やり付いて来たのは私なんだから、謝るなら私の方なのに。
「雄介さんは何も悪くないですよ。無理に着いてきたのは私なんですから。私の方こそごキャッ!」
足を滑らせ、とっさに雄介さんの腕にしがみついた。
「大丈夫?」
「ごめんなさい。私、迷惑ばかりかけちゃって。」
「気にしなくていいよ。むしろ俺の腕ならいくらでもって掴んでもらっても構わないから。だって花菜ちゃんは俺の彼女になる人なんだから。」
屈託のない笑みが私を襲う。
ズルい。そんな顔をされたらキュンとしちゃうじゃん。惚れちゃうじゃん。惚れてまうやろ~。
「けど、大丈夫?結構ふらふらしてるよ。」
「ゆっくり行けば大丈夫だと思う。山登りなんて初めてだったから、ペース配分を間違えちゃったのかも。」
登る時はイケイケで行けたのに、下る時の足への負担がハンパない。
「初めてで滝子山に登ったんだぁ。友達の由美さんだったっけ、花菜ちゃんの事を信頼してるんだね。」
「えっ?」
「いや、滝子山ってのは初心者向けの山の中で、中級者の一歩手前みたいな山なんだって。本にそう書いてあったから、登ったんだよ俺は。」
つまり、私はいろんな段階を飛ばして登頂したわけ。
もしかして、先輩はそれを知ってた?
もしかしたら、先輩の怪我はフリだったりして。
本当はどんな山から登るんだろう。滝子山に登ったから、普通の山なら簡単に登れるのかな?
いや、結構足にきてるから、少しはましなぐらいかな。
「初心者向けの山ってどんなのがあるんですか?」
「う~ん。この辺だと、高尾山が有名かな。あと、俺の地元は埼玉なんだけど、飯能市にある天覧山とかも初心者向けかな。飯能市はアニメ「“ヤマノススメ”の舞台として結構注目を集めてるしね。」
「雄介さんも埼玉なんですか。私は旧浦和市に住んでるんです。」
まさか同じ埼玉県民だったなんて。日本は狭いなぁ。
もっと一緒にいたい。
もっと沢山お話がしたい。
もっと雄介さんのことが知りたい。
「分かった。一緒に行こうか。」
「はい。」
私は雄介さんの背中を追った。
「男坂と女坂ってなにが違うんですか?」
「俺も初めて登った山だから分からないや。多分、傾斜だと思うよ。女坂の方が緩やかなんじゃないかな。あっ、ごめん。それなら、俺が女坂の方を一緒に行った方がよかったね。」
雄介さんが謝る。無理やり付いて来たのは私なんだから、謝るなら私の方なのに。
「雄介さんは何も悪くないですよ。無理に着いてきたのは私なんですから。私の方こそごキャッ!」
足を滑らせ、とっさに雄介さんの腕にしがみついた。
「大丈夫?」
「ごめんなさい。私、迷惑ばかりかけちゃって。」
「気にしなくていいよ。むしろ俺の腕ならいくらでもって掴んでもらっても構わないから。だって花菜ちゃんは俺の彼女になる人なんだから。」
屈託のない笑みが私を襲う。
ズルい。そんな顔をされたらキュンとしちゃうじゃん。惚れちゃうじゃん。惚れてまうやろ~。
「けど、大丈夫?結構ふらふらしてるよ。」
「ゆっくり行けば大丈夫だと思う。山登りなんて初めてだったから、ペース配分を間違えちゃったのかも。」
登る時はイケイケで行けたのに、下る時の足への負担がハンパない。
「初めてで滝子山に登ったんだぁ。友達の由美さんだったっけ、花菜ちゃんの事を信頼してるんだね。」
「えっ?」
「いや、滝子山ってのは初心者向けの山の中で、中級者の一歩手前みたいな山なんだって。本にそう書いてあったから、登ったんだよ俺は。」
つまり、私はいろんな段階を飛ばして登頂したわけ。
もしかして、先輩はそれを知ってた?
もしかしたら、先輩の怪我はフリだったりして。
本当はどんな山から登るんだろう。滝子山に登ったから、普通の山なら簡単に登れるのかな?
いや、結構足にきてるから、少しはましなぐらいかな。
「初心者向けの山ってどんなのがあるんですか?」
「う~ん。この辺だと、高尾山が有名かな。あと、俺の地元は埼玉なんだけど、飯能市にある天覧山とかも初心者向けかな。飯能市はアニメ「“ヤマノススメ”の舞台として結構注目を集めてるしね。」
「雄介さんも埼玉なんですか。私は旧浦和市に住んでるんです。」
まさか同じ埼玉県民だったなんて。日本は狭いなぁ。