モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
「失礼しまーす」
今度は若い威勢のいい男子が入ってくる。
なかなかのイケメン店員だけど、そんなことを言ってる場合じゃなかった。
店員が次から次へとテーブルの上に食べ物を置いていく。
ヨシヒコをチラッと見ると、テーブルの上に置かれる食べ物を見ていた。
そしてヨシヒコの歌声は止まり、音楽だけが流れ、不穏な空気が流れる中、出ていこうとする店員に向かって、ヨシヒコがマイクで言った。
「すいませーん!これ、頼んでないけど」
ヨシヒコの言葉に一瞬不満そうな顔をみせ、店員は言う。
「……注文ありましたけど?」
「飲み物と杏仁豆腐しか頼んでないよ。ほかの部屋と間違ってんじゃねぇの?」
そして店員は又部屋の番号を確認して言った。
「間違ってないですよ。伝票持ってきましょうか?」
「持ってこいよ。間違ってたらカラオケ代も払わねぇからな!」
「……」
店員は黙って出ていき、いつの間にか曲は終わっていて、気まずい空気が流れる。
テーブルの上に置かれた食べ物にみんなが視線を向け、少しするとヨシヒコはハッとした顔をして私に聞いた。
「お前、もしかして頼んだ?」
え?
今更……?