モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
なんかスッゴい可愛い声が聞こえたけど……それって私の……。
その声は私の腕を掴んで続けた。
「大友司って男だよね?ね?」
やっぱり……。
「女だと思うよ」
そう言いながら声の主を見る。
えっ?
この子、さっき電車の中で見たスッゴい可愛い……。
「ネコー!!!」
「……ネコ?」
「あ、いや。さっき電車で一緒だったね」
私がそう笑顔で言うと、ネコは言った。
「……?そうだっけ?私、人の顔覚えるの苦手なんだよね。それより、貴女何組?」
「……。三組だけど」
ついでに名前は大友司ね。
「じゃあ、私と一緒だね。一緒に教室行かない?」
「いいよ」
なんか……電車の中で見たときと雰囲気が違うような気がする。
もっとこう可愛らしくて、なんていうんだろ?
「ねぇ、名前なんていうの?」
男だって言われたから簡単には言えない。
「……。貴女はなんていうの?」
私が聞くとネコは少し不機嫌そうな顔をして答える。
「あー、私?私はね、藤咲……萌。嫌いなんだよね、この名前。貴女は?」
すごく可愛い名前じゃない。
ますます言いたくないけど。
「大友司」