モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
ネコは一瞬固まると、なにもなかったかのように言った。
「へー。なんて呼ぼうか?」
「司でいいよ。ずっと司って呼ばれてたし。私は萌ちゃんって呼ぶね?」
私がそう言うとネコは私に顔を近づけ、すごく不満そうな顔をして言った。
「絶対イヤ!それだけはイヤ!!だいたいね、誰が萌キャラなんて考えたのよ?絶対……萌なんて呼ばないでね?」
「あ、うん。じゃー、ネコって呼んでいい?」
「ネコ……?なんでネコなの……?」
「なんかネコっぽいから」
ネコは少し不思議そうな顔をして首を傾げながら言う。
「『萌』じゃなかったらなんでもいいわ」
「そう」
「それよりなんで女子校なんて選んだの?ぽくないよね?」
女子っぽくなりたかったなんて絶対言いたくないな。
「近かったから。ネコは?」
「私は……男がいると疲れるから。女子校の方が気楽でいいじゃん」
「ふーん」
ネコは可愛いから男子に付きまとわれて大変なんだろうな。
女子だらけってのもなにかと面倒そうだけど、男子が絡まない分だけマシなのかも?
ネコはダルそうに鞄をブラブラさせ、一年三組に入る。
「女子校ってさ、先生も全部女だったら言うことないんだけどね」
ネコは実は男子嫌いなのか?