モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~

ネコと教室に入り、荷物を机の上に置く。


周りを見回すと当たり前だけど、女子ばっかりだな。


ネコを見ると大口を開けてアクビをしていた。


そして私の視線に気づくと立ち上がり、私の方に来て言う。



「あー、司って今日暇だったりする?学校終わったあと」


「別に特に用事はないけど」


「じゃあさ、ちょっと付き合ってくんない?」


「なにに?」



ネコは私の問い掛けにダルそうに答えた。



「今日さー、朝ナンパされてメアド教えたんだよね。その男からさっきメール来てー、学校終わったら一緒に遊ぼってー」


「え。私邪魔じゃない?」


「ないない。じゃー、もうひとり連れて来てってメールしとくから」



ネコはそう言うと私の返事も聞かないで、席に戻り、デコでキラキラ光るピンクの携帯を取り出し、片手でカチカチボタンを押し、制服のポケットの中に入れる。


ネコはポツンとひとりで座り、クラスの女子の視線を集める。


同じ中学の子はいないのかな?


私もこの学校には同じ中学の子はいないけど。


入学式が終わり、担任の話が終わると、ネコは又私のところに来て言った。



「じゃー、行こうよ?花丘にあるカラオケだって」

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