奇聞録五巡目
車輪が取られた。
慌てて車から降りると、車の下から足が見えた。
やっちまった・・・。と思い、足を引っ張り車の下から引っ張り出す。
ぶち・・・。
弾みで後ろに尻餅を付いた。
足が腐っていた。
肉と骨とが分離し、足首だけが手元にある。
うわぁ〜マジかよ・・・。
確かに山道の未舗装林道で、仮にこの腐ってしまった遺体があったにしても、俺が来る前に誰かに踏まれたりしている可能性もある。
気付かないものだろうか?
そのせいで遺体は損壊していたのではないか。
ちがうか・・・。
一旦車をバックさせて、遺体を見るか・・・。
嫌だなぁ・・・。
車に乗り込み、エンジンをかける。
バタン!!
フロントガラスに、足のない遺体が張り付いてきた。
い、生きていたのか!?
いや、明らかに目は死んでいる・・・。
え、これゾンビって奴か!
もう、いいや。
振り落としてしまえ!
車を前後に走らせ、振り落としたとき、車が滑り谷に向かって滑り始めた・・・。
う、うわあっ!!
どれくらい時間が過ぎたか・・・。
あれ、暗い。
谷底か・・・。
窓は割れていないようだ。
あ、痛い・・・。血が出てるな・・・。
ん?
う、うわあっ!なんだ、何だこいつら!!
谷底に落ちた俺の車のガラスに、無数のゾンビ達が顔を覗かせている。
ああ・・・。俺、もう駄目だ・・・。