イジワル上司と秘密恋愛
「やっぱりすごいよ、木下くん。頑張ってるんだね」
素直に彼の活躍を喜べば、木下くんはどこか誇らしげに、けれど照れくささも混じったような顔で笑った。
「あ。もしかして今日ここにいるってことは、木下くんのお店でも『Cheers』のカクテルサーバー扱ってくれるの?」
「当たり。うちのレストラン女性向けだからさ、『Cheers』のお洒落なイメージがピッタリなんだよね」
「わあ、なんだかすごい。私たちの作った商品を木下くんのお店が扱ってくれるなんて。こんな風にいっしょに仕事する日がくるなんて思ってもいなかった」
思いもよらなかった偶然に、なんだか嬉しくて声まで弾んでしまう。
木下くんにはたくさん迷惑や心配をかけてしまったけど、今度は仕事の縁があって共に良い結果を出せていけたら素敵なことだと思うから。
すると木下くんははしゃぐ私を見つめてさらに目を細めると、
「良かった、春澤が元気そうで。頑張って上手くいってるんだな。安心した」
そう言って手を伸ばし、私の頭をポンポンと軽く叩いた。
その感触に、以前何度も抱きしめて慰めてくれた彼の優しさを思い出してしまう。