イジワル上司と秘密恋愛
ズキリと胸が痛む。
お互い愛し合っていたはずなのにすれ違い続けていた時間が悲しくて。改めてあの頃綾部さんがどんなに私を想ってくれていたか伝わったような気がして。
「本当に……ごめんなさい」
口を開けば繰り返すように謝罪の言葉しか出てこない。
泣きたくなってしまって、目を逸らし顔を俯かせてしまう。
けど……出来ることなら、もっと伝えたい。長い時間をかけてここまで辿りついた私の想い。
「私、すごく反省して、どうしても綾部さんに謝りたくて。だから、頑張って関西事業所まで追いかけてきたんです」
「えっ?」
私の言葉にさっきとは違った驚きの声を綾部さんがあげた。
「……本当に?」
「はい。仕事でもいっぱい迷惑かけちゃったし、だから一人前になった姿で綾部さんに会いに行こう、そして謝ろうって。ずっとずっと頑張ってきたんです」