イジワル上司と秘密恋愛

「私も、こんな形で再会できて木下くんの本当の気持ち知ることが出来て良かった。なんだかスッキリした気分」

ようやく笑顔を向けた私に、木下くんも安心したように満面の笑みを見せた。

「そっか、良かった! じゃあさ、改めてその……次のデートに誘ってもいいかな?」

「え、ええっと……」

けれど、彼からの誘いにまたも躊躇ってしまう。

こんな時だというのに、私の頭にはやっぱり綾部さんの姿が浮かんでしまって。

彼に囚われてる心を解放したくて別の男性に会ったというのに、こんな土壇場でもまだ私の心はあの人から離れたがらない。

——馬鹿な私。


「……いいよ。東京戻ってからも、会おう」

だから私はもっともっと自分を追い詰めようと思った。

いっそこのまま木下くんと付き合うことになっても構わない。

あの不毛で甘すぎて、傷だらけの恋から抜け出せるのなら——新しい恋も、きっと悪くない。


 
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