イジワル上司と秘密恋愛
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翌日の月曜日。
出勤してきた私がいつものようにグリーンディスプレイに水をあげてると
「おはよ、志乃」
「きゃっ! びっくりした!」
足音を忍ばせて入ってきた綾部さんが、私を驚かせるように後ろからいきなり耳元へ声を掛けて来た。
思惑通りまんまとビックリしてしまった私を見て、綾部さんがおかしそうにクスクスと笑う。
「もう、子供みたいなことしないで下さい! ああ、ほら、お水零しちゃった」
「ああ、ごめん、ごめん」
驚いた拍子に床に零してしまった水の雫を、私は不満そうな顔をして手近にあったハンドペーパーでさっさと拭った。
そして、クシャっと丸めたペーパーを私の手から奪いゴミ箱に投げ込みながら綾部さんは言う。
「でも春澤が悪い。せっかくの週末を俺にかまってくれなかったバツだよ」