エンディングは”そこ”じゃない……
偶然彼のお姉さんも妊娠していて予定日もほぼ一月しか変わらなかった。
違っていたのは私とお姉さんの体格差。
彼の家族は大柄でお姉さんも170cm位の長身だった。
経産婦のお姉さんは陣痛が来ても自宅でゆっくりしていたらしく、病院に着いて分娩台に乗る前にもう赤ちゃんの頭が見えたそうで助産師さんが慌てて「お願いだからまだ産まないで……」そう懇願したと聞いていて笑ったのに……
私の場合はというとたっぷり48時間の地獄の苦しみが待っていた。
無痛分娩も帝王切開もあるのに、ましてや自然分娩にこだわりがあった訳でも無いのに永遠に続くかと思われる陣痛の痛みと苦しみに私よりも付き添っている彼の方が先に参ってしまったようだ。
「こんなに苦しませる必要があるの?
医者なら何とかしてくれ……」
彼の懇願に帝王切開に切り替えようかと医師が検討し始めてもう一度だけと吸引分娩を試したところ無事に産まれてきた我が子はもう少しで巨大児と言われる大きさの3986gもある男の子だった。
一月前に生まれたお姉さんの赤ちゃんは2700gぐらいだったから、生後一か月の赤ちゃんよりわが子の方がまだ大きいのかも知れなくてとても複雑な心境になったものだ。