エンディングは”そこ”じゃない……

出産した日から数カ月が経過した頃。

お義母さんが内緒話をするように話してくれた事があった。

わが子が産まれてホッとしたのも束の間、吸引分娩で引っ張られた赤ちゃんの柔らかい頭部は変形して色も紫色になっているのを見る度に

「この子ホントに大丈夫なの?」と心配していたらしい。

仮眠のために実家に帰って来た彼は甥っ子が生まれた日に撮影された写真を眺めては自分の息子と比べていたのか?

「はぁーーー」と深いため息をついてから無言で病院に向かったと聞く。

余りに落ち込む息子に向かって

「何がそんなに心配なの?そう聞いたら『あの茄子のヘタみたいな頭ちゃんと治るのかな?』って言ったのよ」その時を思い出したのかプッと吹き出してお義母さんは笑っているけど私の心中は複雑だった。

『自分の息子の頭の形を”茄子のへた”扱い? 確かにちょっと似てたけど……』
イラッとしながら聞いていたら

「母さんの言う通りちゃんと綺麗に治ったよ。

やっぱり自分の息子は世界一可愛いね」って

親ばか全開で実家に報告に来たらしい。


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