もう一度君を  この腕に
俺は空港から直行で社へ寄った。

社長と専務が俺を待っていた。

俺が戻ったことは社内にはまだ流してないらしかった。

女社長は俺を高く買っていてくれた。

ライフセーバーだった俺は海で専務に声を掛けられ

翌日には社長のクルーザーで面接を受けていた。

社長と専務には可愛がられていた。

俺は夏の海ではライフセーバーを

冬の海ではダイバーの職で食いつないでいた。

会社勤めは性に合わないと自分で思い込んでいたが

彼らのお陰でバイトで得た知識をも活かせる今の仕事に従事でき

俺は二人に感謝しきれないほどの恩を感じていた。

それは仕事で返そうと常々思っていた。

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