もう一度君を  この腕に
上位3名の‘ビューティー・スイマー’から惜しくももれた中の一人に

専務が独自に声を掛け

‘ビューティー・ダイバー’としてうちの社宣に起用したとあった。

俺は写真を見た。

ダイビング・スーツを着用し

顔は斜め後ろに向けていてわからないが

バックの盛大な水しぶきの中に脚を広げて凛々しく立つモデルは迫力があった。

「このモデルのことですか?」

「顔は映さない契約だ。」

「そうですか。」

「どう思う?」

「今季も使ってはいかがですか?」

「進藤、おまえならどう使う?」

専務は面白そうに俺の顔を見て言った。

「専務、俺は数時間前までスイスだったんですよ。考える時間をください。」

「わかった。明後日に聞こうじゃないか?」

「社長もこの件に期待されているんですか?」

「おまえは察しがいいヤツだな。もう帰っていいぞ。」

「わかりました。ご期待に添いましょう。」

俺は専務室をあとにして社を出た。

4年振りの自宅へ帰った。

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