恋愛渋滞 〜踏み出せないオトナたち〜
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交わした言葉は少なかったが、夏耶と俊平にはお互いが同じ気持ちであったことが手に取るようにわかった。
そんな二人が失った過去を取り戻そうとするのはごく自然のことかもしれない。
夏耶たちは誰にも何も言わず同窓会を抜け出し、同じホテル内に部屋を取るという荒業に出た。
律子をはじめとする共通の友達はすぐに異変に気付くだろうが、そんなことはどうでもよかった。
窓から港の夜景が見下ろせる部屋の、その窓には目もくれず、夏耶たちは入り口近くで急くようにお互いの唇を求め抱き合った。
「ん、……ふっ、ぁ」
ふたりはせつない想いを溶かした吐息を重ね、熱い舌を絡めあう。
夏耶の背中に回されたた俊平の手がファスナーを下ろすと、ワンピースは中途半端に夏耶の素肌を滑り落ち、俊平は目の前の白くて小さな丸い肩に歯を立てた。
「……っ!」
びく、と身体を震わせた夏耶が、潤んだ瞳を俊平に向ける。その視線は、彼が何年もの間ずっと欲していて、でも手に入らなかったもの。
このチャンスを逃したら、自分は一生後悔するだろう。
そんなことを思いながら、俊平は夏耶の小さな体を軽々と持ち上げ、綺麗に整えられたベッドの上に下ろした。
「……怖くは、ない……よな?」
「うん、平気……だと思う」
「だと思うってなんだよ」
「だって……私……」
夏耶は頬を赤く染め、俊平の顔を両手で引き寄せると、耳元で恥ずかしそうに言った。
「まだ……処女、だから……」