恋愛渋滞 〜踏み出せないオトナたち〜
10.No parking


ひと月後、夏耶は無事に司法試験の全日程を終え、同窓会以来に会う律子とカフェで待ち合わせていた。

夏耶が店内に入ると、先に来ていた律子が夏耶を見つけて手を振る。


「こっちこっちー」

「りっちゃん、久しぶり」

「久しぶりー……って、なんか夏耶やせたんじゃない? 試験ストレス?」


近付いてきた夏耶を見るなり怪訝そうに眉根を寄せる律子に、夏耶はへらりと笑って答える。


「あはは、そうかも」

「じゃー今日はいっぱい食べな? おごるから!」

「え、いいよいいよ。今日朝ごはん遅かったから、そんなにお腹空いてないの」

「なにそれ~、じゃあ私は遠慮なくガッツリ食べさせてもらいます」


窓際の席についた二人は同窓会の日と同じく、会わなかった時間を感じさせないくらいに、すぐに高校時代の空気に戻って楽しい会話を交わす。

おおげさに唸りながらメニューを眺め、さんざん悩んだ律子はロコモコプレートを。夏耶はオレンジスムージーを頼んだ。


「やー、とりあえず夏耶、お疲れ様! 手ごたえはどうなの?」

「全然だよ~……解答でたら自己採点する予定だけど、怖い」

「まぁ、合格率低いって言うもんねぇ。……そっか。試験が終わったとはいえ、結構微妙な時期ってことだよね……」


律子はそう言うと、何か悩んでいるような表情で頬杖をつき、窓の方を眺める。



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