思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中






何週目かして、蒼空の最後の一枚を私が引いて一番であがった蒼空。





次に真、そして私。





透が夕のを引く番。




透は残り一枚、夕は二枚。




ババを持っているのは夕。




透が一枚のカードに手をかける。




すると




「ふふんっ」




夕がキラキラとした表情に。




逆にもう一枚の方を選ぼうとすると。




「うっ……」




止めてくれと怯える顔に。





透は迷わず後者を選んだ。





「はい、あがり」





「透、酷いよお」





「お前言いだしっぺの癖に弱すぎ。ってか全部表情に出しすぎだろ」




「夕は良い子だから」




「おい、アイツのどこが良い子だよ。悪戯野郎だろ」





「お菓子あげればなんでも言うこと聞いてくれるよ」





「そこかよ」




隅で蒼空と真のちょっとした会話が繰り広げられていた。




「負けた夕には、罰ゲームだよね」




「と、透!?」




「ってことで、夕は一週間お菓子禁止ってのはどう?」





「そ、それって、飴もダメなの?」




「ダメ」




時折出てくる悪魔の笑みをした透だ。




怖い。





「一週間は可哀想だから三日にしてあげない?」




私はそう提案した。




「うーん」




「お願いします、お願いします」




夕は必死の形相で透に向けて手を合わせた。




「仕方ない、優那ちゃんがそういうなら三日で良いよ」




「わーい!優那ちゃんありがとう!!」



「まあ、三日間は確実に禁止だけどね」



こうして、夕にとって苦痛な三日間が始まったのであった。




「お菓子禁止とか辛すぎる……」






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