思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
実は先週テストがあった。
周り(4人)がいつもと変わらなさ過ぎて忘れかけていたが、先生の呼びかけで私は勉強を始めた。
そして、あの4人は一体いつ勉強してたんだというくらい、勉強している姿を見たことがなかった。
透は多分部屋で勉強してたんだと思うけど。
ほかの4人は授業中も態度が悪いと評判だし、寮で寮で勉強してる姿なんてほとんど無いし。
私は、頑張りの成果もあってか、どの教科もそれなりの点数をとることが出来た。
今日素点表を担任から受け取った。
まだ全教科の合計は出していない。
どうやらこの学校では学年ごとに成績の順位が廊下の掲示板に掲示される。
前の学校ではなかったことだからか、少しドキドキしている。
「どれどれ、僕は何位かな〜」
人がごちゃごちゃとする中、私と夕と蒼空の3人で廊下の掲示板を見に来ていた。
まず最初に探すのは勿論自分の名前。
ちなみに上位50名まで掲示される。
「え………7位?」
予想以上に点が良くてその順位を疑ってしまいそうだ。
なかなかいい点数をとったなとは思っていたが、ここまで順位が上だとは思ってもみなかった。
予想外なこと過ぎて、掲示板から視線が動かなかった。
何度も瞬きをしたけれど、やっぱりそこに私の名前はあった。
と、とりあえずここは喜んでおこう。
「僕、12位だったー。優那ちゃんはどうだった?」
「私は、7位……」
「ええ!凄くない!?……でも、蒼空はもっと凄いんじゃない?」
夕は、自分のことでもないのに誇らしげな表情を私に向け、次に蒼空へと視線を流した。
「まぁ、うん」
そういう蒼空は何位なんだろう。
夕は凄いっていってるけど、いつも授業中は寝てるし、絶対テストだってあんまり取れてないんじゃ?
そう思って下から順に探す。
けれど自分の名前まで一切名前が出てこない。
真はテストまでサボったのかいくら探しても名前はなかった。
「えっと……1位……綾瀬蒼空……?」
あぁ、なるほど、俗に言う"天才"か。
「ね、凄いでしょ?」
「うん、凄い。口が開いて閉じないくらい凄いよ」
「褒めて」
「はい、えらいえらーい」
夕が蒼空の頭を撫でる。
「優那も褒めてよ」
「おめでとう?」
「ん」
頭?
撫でろと。
「……よしよし」
「いつも寝てるのに、いつも学年トップなんだよね。何でだろ」
夕は、うーんと唸りながら考えているけれど、答えは出なさそうだ。
授業中の態度だのなんだのと悪い評判しかないのに、頭は良いらしい。
真以外は。
「これでまた授業中に寝てても怒られない……」
蒼空がそんなことを呟いていたが、私はあえて聞かなかったことにした。