思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
合宿(仮)2日目。
今日も今日とて、満喫している。
「兄ちゃん、なかなかやるな~」
「どーも」
「俺のこのイルカちゃんどうよ」
「凄いですね」
「こりゃ、自分の以外興味ねえみたいだな……」
自分の作品に集中して、全く話を聞いてない蒼空。
折角自分の作品を自慢したのに、ああも適当に返されてはおじさんが少し可哀想に思えてくる。
「透、どっちが早くあそこの岩まで行けるか勝負しろ」
「いいよ。負けたらジュース驕りでいいよね」
今日は透も海に入っている。
二人が手にするのはサーフボード。
別に波に乗るわけではなく、アレに寝そべって手でこいでいる様子。
夕は____
「ねえねえ君~、今暇?あたし達と遊ばなーい?」
ナイスバディーなお姉さんたちに囲まれていた。
彼女たちの瞳は、なんだか獲物を捕らえたように輝いている。
大丈夫かな。
「何して遊ぶの?」
「それはねぇ………こうするのよ。えいっ」
「え、うわっ」
夕を砂浜の上に寝かすと、その上に大量の砂をかけ始める。
「え、え……?」
何が起こっているのかいまいち理解できていない夕は、唖然としている。
「うふふ、一度これやってみたかったのよね」
大量の砂で固められて身動きが取れそうになさそう。
「ふ、ふふっ……あははっ。面白過ぎよ」
彼女たちが何に対して笑っているかと言うと……
「な、なにこれ!?」
夕の胸あたりには、砂で出来た綺麗なドームが二つ。
つまり胸だ。
あーあ。
完全にあそばれてる。
「じゃ、これがしたかっただけだから。じゃあねっ」
「え、ええ!?これどうするの!?」
仕方ない、助けてあげようかな。
「あ、優那ちゃん!これ、どうにかしてくれない!?」
「ちょっとまって、写真撮るから」
近くで見ると、あのお姉さんたちが笑っていたのもわかる気がする。
記念に一枚、写真に収めると、もったいない気がしないでもないが、砂を崩した。
「はぁ、助かった」
「ちょー面白かったー」
「真顔で、しかも棒読みで言わないでっ」
「本当に面白かったんだけどなぁ……あとで写真見せてあげるね」
「もう……ってあーあ。髪が砂だらけだよ。海の家にあるシャワー借りて来るよ」
そう言って髪の砂を払いながら歩き出す夕に、私もついて行った。
「あ、じゃあ私も行く」
「優那ちゃんも?」
「シャワーじゃなくて、飲み物買いに行くの。蒼空、ずっとアレに夢中で水分摂ってないし」
「蒼空の為、かあ……。ま一緒にシャワー浴びたいのかなーって思ったんだけどなあ」
「そんなことあるわけないでしょ。……もう、こりごり」
「昨日の優那ちゃんは可愛かったなぁ」
「なっ。見たの……?」
「そりゃあ勿論。隅から隅まで。あんな場面で見るなって方が無理だよ。でも、僕的には今の格好も十分いやらしいと思うよ?」
水着が?
「どうして?」
「昨日は大きなタオル巻いてたし、半分以上は隠れてたでしょ?でも今は、昨日よりも隠してる面積狭いし、胸だってお腹だって見えちゃってるんだよ?」
「それは、そうだけど。そんなの他の人だって同じじゃない」
「んー、まあそうだね。でも、僕的にはパーカーくらい羽織って欲しいなぁ。今だってさ、回りの男にいやらしーい視線で見られてるかもしれないんだよ」
「……暑いもん。それに、どうして私を見るのよ」
「そりゃあ、可愛いからに決まってるじゃん」
「……知らない」
可愛いって言われて悪い気はしないけど、実感は沸かない。
「そういえばさ、昨日蒼空に何言われたの……?」
昨日、蒼空に____
『___ほら、立ってるとタオルが濡れてて体のラインが透けて見えてるから。それに……はだけそうになってる。そういう姿、他の人に見せたくない』
「優那ちゃん顔真っ赤。優那ちゃんをそんなにさせるようなこと言ったんだ、蒼空は」
心なしか、夕の声のトーンが低くなる。
「違う。暑い……だけ」
「蒼空もちゃっかりしてるよね、本当」