思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
「優那ちゃん、聞こえてなかった?」
砂浜を歩きながら、夕が突然言う。
「ん、何が?」
「さっきのやつら、優那ちゃんのことジロジロ見ながら、その……胸がデカイとか、くびれが綺麗だとか……触りたいとか言ってたんだよ」
「そ、そうなの?」
そんなこと言われたって、どう反応すればいいんだ。
「正直僕は嫌だったんだけど、優那ちゃんは嫌じゃないの?」
「……あまりジロジロ見られるのは嫌」
もう少しでパラソルに着く。
「だから、やっぱり_________ 」
夕はいち早くパラソルへ行くと、何かを片手にすぐに私の元へ戻ってきた。
「______僕のパーカー羽織ってて。今更、なんだけどね」
私の肩にそっとパーカーを被せる。
「暑いもん」
「ダメ。もうこれ以上優那ちゃんが晒しものになるのは嫌だから。僕のならちゃんと下まで隠れるよね」
夕のパーカーは男のものなだけあって、手が隠れてしまうくらい大きい。
丈も長いし。
「これで完璧」
わしゃわしゃと私の頭を撫でる夕の姿が、ちょっぴり大人びて見えて、まるで私が子供扱いされてるみたいだ。
「もう……」
「____優那」
城を作る手を止め、そっとこちらを見つめそう呟いた。