阿漕荘の2人

小鳥遊くんの恋人 1

紫子side

9月の初め


n市の夏はまだまだ終わらない

コンビニでは何故かおでんを売り始めた

食う人おんのかな?


って思った紫子はおでんとピノを

食べている

異色のコンビ


こんなことするヤツがいるから

冬でもアイスは売れんやろうな


紫子はピノを食べている


よー考えてみると

気分的にはガリガリ君やな

井村屋の小豆バーの気分やな

でもお口の中はチョコレート


紫子の携帯がなる


笑点のopが流れる


世の女子大生の着ウタにも使われる笑点ソング

20世紀末の最大の遺産やな

あれ、でもまだ笑点終わっとらんし

遺産ゆうのは失礼やな


携帯に出る


「もしもしも」


着信は桜花 櫻子


名前の割に冬生まれ

詐欺師の代名詞みたいなヤツ

「回文でございますよ

もしもしも、下から読んでも、もしもしも

どうしはったん、櫻子はん?」



電話の奥で櫻子がブツブツゆうとる

ちなみに事件の後、櫻子とは2回ほど
食事をした

1回はオールナイトの女子会パーリー


なんや、ネタ古いな


「ふぅん、そーかいな

あんま、気ーつこうことないで

でも、まあ、櫻子はんが奢ってくれるんやら

そない、嬉しいことないな


おー分かったで、
そんじゃ後ほどなぁ」


紫子はラストピノを食べ終わると

冷蔵庫を開けて

一口だけ食べたカステラを取り出す



玄関をでて隣の小鳥遊邸のドアを目の前へと………


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