阿漕荘の2人
練無side

「……いらっしゃい」

二階堂 りんが練無たちを出迎えた

「綺麗なドレスだね
いいなぁー」

「着たいの?重いよ」

「僕はもっと重い服を
いつも着てるよ」

「ダンベルでも
持ってるの?筋トレ?」

「少林寺ならしてるよ」

「ショウリンジ?生花?琴?」

「武道だよ」

「葡萄?おいしいね」

「梨の方が好きだよ」

清見がドアをしめた

部室には大きなイステーブルに
沢山の資料が山済みになっている

そして、この部屋にいるのは
僕ら3人のみ


「他の人はどうしたの?清見さん」


「他の執行部員はみんな
会場準備や生徒のドレスアップに借り出されてますよ

まぁ、二階堂は
これでも白バラ様なので
別ですが」


「じゃ、僕に用事って何かな?

白バラ様?」

「アナタ………どっちなの?」

「どっち?

性別ならご存知の通り男だよ」


「ううん……そうじゃなくて

誰の味方かなって?」


「えっ?」

二階堂は練無をじっと見つめる

そして
練無の手を取る


「僕は、しこさんの味方だよ」

二階堂は練無に微笑み

そして握手をする

「私は白バラ姫……でも……

私にはもう、時間がない…………


次の白バラ姫が決まる………


だから、きっと、黒バラ姫が……動き出す
黒バラ姫が戻ってきた…………それは

つまり…………」


「えっ!どうしたの二階堂さん!

どうしたの!」


急に二階堂 りんが眠ってしまった

机の上に頭を伏せて………


「どうしよう!清見さん!

寝ちゃったよ…………ねぇ!」

練無は後ろの清見をみる

「大丈夫ですよ
小鳥遊様、彼女は寝ているだけですから」


「…………清見さんが何かしたの?」


「貴方をここに連れて来る前に

睡眠薬を彼女に飲ませました」

練無は二階堂から離れ

清見の前に立つ


「清見さん、何を考えているの?

僕は女の子でも容赦ないよ」


「私たち、執行部はあくまで中立の立場を取っています

だから、こうせざる終えないのです

二階堂自身も承知ですよ」


「………何が起こるの、今夜」


「いいですか、これは私からの

お願いです

今夜は白バラ姫の二階堂のナイトに

貴方がなってほしい


二階堂を護って頂きたいのです

黒バラ様もそれをお望みです

いいですか、

小鳥遊様、貴方は黒バラ様の味方

そして、信じるのは私、清見」


僕は急に眠くなり

瞳を閉じた

最後に見たのは清見さんの涙だったー


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