阿漕荘の2人

It is unnecessary 不必要な結末

練無side

12月26日

クリスマスは終わり、正月の準備に取り掛かるころ

僕、小鳥遊 練無は親友の 森川 素直
を飲みに誘った


「どうして、現地集合なの?」


先に座っていた僕を見つけた森川は
ダイニングバーの左横に座る



「デートぽいでしょ?」

「側から見たらね」

ちなみに今日の練無はスカート4枚重ねの女の子バージョンだ



「何飲む?」


「小鳥遊は何を飲んでるの?」

「サワー」


「僕はビールで」


しばらく、世間話をしていると
注文したビールが運ばれた


「乾杯」


「乾杯」



練無たちは酒を一口飲む



「顔の腫れ引いたんだ」


「おかげさまで」


「……僕は謝らないよ」



「べつにいいよ、
代償を負ってもそれだけの価値があるものだったからね
むしろ、お釣りがくるくらいだよ」




「……酒が入るとよく、しゃべるな」



「ありがとう」




「お前はどうしたいんだ?」




「どうもこうもしないよ」




「僕に譲るの?」




「もともと僕のものじゃない」




「僕は貰うよ」




「構わないよ」




「お前は何だったの?」




「僕は小鳥遊も香具山さんも好きだよ」




「照れるなあ」




「あの時は香具山さんの顔を
君に見せるべきではないと思ったからだ」




「僕は謝らないけど、森川とは今まで通り、親友でありたい」




「僕も同じ気持ちだから、此処にいるんだ」




「……森川には敵わないね」




「それは、どうも」




「まさか、僕らが女を取り合うなんて………考えられなかったなあ」


練無が笑いだす


「少女マンガみたいだね」




「すると、ヒロインがしこさん?」





「信じられないね」




「なんだか、頭にきた………しこさんがヒロインってキャラじゃないでしょ」




「銭形警部あたりかな」




「ど根性かえるとか」





「ジョパンニ」




「誰、それ?」




「知らないの?」


「どっどっとっどー」



「知ってるじゃん」




「風の又三郎でした」




「あぁあ」



「今の何?森川?」




「あくび」
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