指先からはじまるSweet Magic
「里奈? 大丈夫?」


こんな痛い私を、圭斗は本気で心配してくれている。


「えっと……俺、一応里奈の親からも信頼されてるし、結婚前に不謹慎だとか言われるほどではないと思うんだけど」


どこか遠慮がちに、圭斗の手が私の髪を撫でる。
それを聞きながら、私はただブンブンと首を縦に振った。


「そうよね。うちの親、圭斗と同棲なんて言ったら、むしろノシつけて送り出してくれると思うわ」

「ひねくれた言い方するなあ……。俺が言いたいことはもう少しあってね。まあ、ちゃんと聞いて」


溜め息混じりの苦笑を漏らして、圭斗が私の左手をそっと顔から剥がすように手に取った。
そして、片側だけ開けた視界の中、まるでお姫様に王子様がするように、私の左手の薬指に、チュッと小さな音を立ててキスを落とした。


「っ……」

「これもまだ早いって言われるだろうから、今はまだ自粛するけど……俺、必ず里奈にプロポーズするから。……ここ、予約させて」


綺麗な顔をちょっと悪戯っぽく微笑ませる圭斗は、あまりにも完璧な王子様みたいで。
その上破壊力満点の言葉に、私は何も反論なんか出来なくなる。
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