お隣さんと内緒の恋話

葵とのキス、唇が触れそうになった時、ガシャン!と何かが割れたような音が聞こえた。


今… なに?


またしても寸止めキスにガックリしながら、葵と隣にいる雅を見るように壁を見つめた。


「 今、聞こえたよな?」

「 うん、聞こえた、なんだろ…」

「 ちょっと見てくる 」

「 私も!」


葵と一緒に慌てて雅と彩香のいる部屋に行った。

玄関に鍵がかけられていて 葵が開ける。

私は葵に続いて すぐに中に入った。


「 兄貴!」

「 雅くん!」


リビングに雅はおらず 葵が雅の部屋に行こうとすると、洗面所から彩香が出てきた。


あ… 彩香さん!?


「 あら、あなた…」

「 なぁ、兄貴は?」


そうだ、雅くんはどこ…


話していると、雅がキッチン奥から出てきた。


「 はいはい、俺ならいるよ。そう心配しなさんな 」

なんだ、いた…


「 雅、何してた!さっきの音はなんなんだ!」

「 音?ああ、彩香が ラーメンどんぶり落として割ったんだよ、今片付けてた 」


なんだ、ラーメンどんぶり割っちゃったんだ、なんかあったかと思ったよ…


「 彩香さん、ケガしてんじゃないの?」

あ、そういえば…


「 病院行って診てもらったけど 湿布だけですんだんだ 」

「 じゃあ、帰りちゃんと送れよ、雅 」


うんうん、そうだよ、お泊まり禁止!


バツが悪そうな雅と彩香は二人顔を見合わせていた。

雅くん、残念でした。
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