お隣さんと内緒の恋話

口を開けば止まらない柚奈と加純。



「 加純さん、昨日は壮真と私が会ってる聞いてどうだった? 妬いたよね… それに、会わないでとか、帰ってきてとか、言わなかった?
束縛になるよね… 壮真が自分の意思で私と会ったわけだから 」



あ、そうだね… 壮真が柚奈のメールに答えたわけだもんね。



「 私は束縛なんかしてません!とにかく、壮真先輩に近づかないでっ」

「 別れてよ、壮真は私とやり直すって言ったから。わかんないの?」

「 わかりません!」



ん~ 押し問答だなぁ

私が口出すわけにはいかないし…



「 壮真に別れようって言われて わかんないってダダこねるんだ? 壮真かわいそう…
私が好きだからキスしたのに… 」



げっ、柚奈!? それ言っちゃう?



「 え… キスって… 壮真先輩と?」


あ~ 柚奈、それは反則…


「 したよ、キス。壮真からね。ちゃんと証人がいるし、ねぇ 椿 」

「 えっ! あ… うん、見た… 」


私まで巻き込まないでよ~

思わぬ事を言った柚奈、それはきっと駆け引き。

でも、私には言っちゃダメだなんて言えなかった。



「 ひどい… 柚奈先輩ひどいっ それで私が納得して別れると思うの? 私、別れないっ 」

「 壮真は私と別れて たまたま あなたが目の前に来たから、あなたの友達が壮真に押しつけたからじゃない!
今 壮真は私を選んでる、別れないんじゃなくて、別れるのっ 」



私は二人のやり取りを聞きながら 視線を俯かせていた。

正直、聞いていて苦しかった。

柚奈の気持ちも 加純の気持ちもわかるから。


どうしたらいいんだろ…


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