アサガオを君へ
器用にクルクルとわたあめを丸めていき、ものの10秒でふわふわの青いわたあめが手渡された。


私はお礼を言ってわたあめを見つめると、一口頬張った。


ふわふわした食感なんてなくて、口に含んだ瞬間消えていった。


残ったのは心地よい甘みと、しつこいくらいの甘ったるい匂い。


もう一口っと、わたあめに口を近づけたとき。


「心」


馴染みある声に酷似した声に私は戸惑いつつもゆっくりと振り返った。


夏樹だけど夏樹じゃない声。


だれ?


そこには少し日に焼けた肌とは対照的の白いTシャツを着た男の子が立っていた。


余裕を浮かべた、完璧な笑みを私に向けたその顔は。


ゾッとするくらいに夏樹にそっくりだった。
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