アサガオを君へ
言葉を失った。


何を言えばいいか分からなくてその場に立ち尽くす。


そんな私にお構いしに、その男の子は私にちかづいてきた。


そして力が抜けていた私の手から落ちそうになったわたあめを掴む。


私は何も言わずに見つめた。


すると青いわたあめをクルッと器用に指先で回しながらクシャっと笑って言った。


「何年ぶり?5.6年ぶり?会いたかったよ心」


笑顔にはまだ昔の面影が残ってた。


すぐに泣く、私たちの後ろをいつもついてきたがったあの頃に。


私もニコッと笑った。


「栄治が避けてたんでしょう。久しぶり」


夏樹のゆういつの弟で、健康な私のもう1人の幼馴染み。


私の声にパッと顔を輝かせた栄治は、次の瞬間には眉をひそめていた。
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