アサガオを君へ
栄治は、ふーんっと呟く。


そして言った。


「それより、美味しかった?ピンク色のクッキー」


私はポケットから空っぽの袋を取り出して机に置く。


「味は美味しかったよ。料理苦手なのに頑張ったね」


栄治は無邪気に口を大きく開けて笑った。


「よっしゃ!大成功!」


私は首をかしげる。


すると栄治は空っぽの袋を手にとって、私に見せながら言った。


「砂糖大作戦だよ。心の好きな砂糖を使って、これからは心を誘惑するんだ」


久しぶりに見た無邪気な笑顔で言った栄治。


私も可笑しくて笑った。


「上手くいくといいね」


「おう!…そこで折り入って頼みがあるんですが、誘惑できるように協力してくれませんか?」


フッと綺麗に微笑んだ栄治が私の目を見つめる。


まっすぐと。
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