アサガオを君へ
私は眉間にしわを寄せた。


アッキーから雑誌に視線を落として、私は言った。


「うん」


「…せやから!」


アッキーは私の手首をガシッと強く握った。


その拍子に、雑誌はまた床に落ちた。


「お前のそういうところが腹立つねん!!」


私はビクッと体を震わしながら、アッキーを見た。


腹立つとか、どうでもいい。


なんなの?


私、何もしてない。


大人しくしてる。


アッキーの『俺は悪くない』にも、肯定してあげた。


私はどうしたらいいの。


私はプルプル震える唇で言った。


「…分かんない」


本当に分かんない。


今まで夏樹とノンちゃん以外の人とコミュニケーションなんかまともにとってこなかった。


その2人は、私のことをちゃんと理解してくれてて。


私に腹立つなんて言ったことない。


橋本さんみたいな人には言われたことあるし、それに関しては今までだって対処してきた。
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