アサガオを君へ
私はビクッと体をふるわした。


びっくりして目を開けると、そこは夏樹のベッドの上だ。


夏樹はいないかわりにアッキーがいた。


目を見開いてアッキーを見つめると、アッキーは無表情で言った。


「夏樹なら、トイレ行った。とりあえず顔拭けや」


そう言われて頬を触ると、涙でぐしょぐしょだった。


私は言われた通り、袖でゴシゴシと頬をこすった。


夢か…。


…夢で良かった。


いつの間にか寝てたみたい。


読んでいた本は床の上に落ちていた。


アッキーは本を拾うと私に差し出した。


私は少し躊躇しながらも本を受け取ろうと、本をつかんだ。


でもアッキーは手を離してくれない。


ど、どうしたらいいの?


戸惑っているとアッキーは、私をキッと睨んだ。


「俺は悪くない」
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