アサガオを君へ
私はフッと笑った。


「これが私の暗いところが苦手な理由」


「はぁ?結局、松崎くんは何がしたかったんや?あれか?お前が好きでいじめてたー!とかか??」


松崎くんが私を好き…。


私はおかしくて声を出して笑ってしまった。


そんなんじゃない。


松崎くんは…。


私はアッキーの服の袖をキュッと掴んで言った。


「松崎くんは、すごく正義感が強くて困っている人がいたら助けずにはいられない、最高に優しい人だよ」


だから、きっと彼は無念だっただろう。


夏樹を変えることができなくて。


彼は待っていたんだ。


自分が私をいじめることで、夏樹が私を助けに来ることを。


私をいじめる松崎くんの目は、私を見ているようでいつも夏樹を見ていた。


私がいじめられていても、私を見ようともしない夏樹を。


どうにかして、夏樹を動かしたかったんだ。


夏樹に構うせいでクラスのみんなから無視される…。


報われない私を、彼はどうしても助けてあげたかったんだろう。
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