アサガオを君へ
私は頭を振って、少し怒ったように言った。


「なによ、アッキー」


「夏樹迎えに来たんや」


「ちょっ!それ私の役目!アッキー必要無い!!」


私がアッキーの肩をポカッと叩くと、栄治は何も言わずに私たちの横を通り過ぎた。


私は少し小走りで追いかけて栄治の袖の裾をつかんだ。


「待って!一緒に学校行く?」


栄治は少しだけ考えてから首を振った。


「いや、いいよ」


そして、やんわりと私の手を振り払うと、スタスタと歩いて行ってしまった。


何かおかしい。


どうしたの?


いつもなら悪態の1つもつくのに…。


私はギュッと手のひらをにぎりしめた。


「お前、残酷やなー」


アッキーは腕を組んで、私を見ていた。


残酷?


私が首をかしげると、アッキーは笑った。
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