アサガオを君へ
「本当にわからんのか?あいつが何でココの前に現れんかったんか」


「?…夏樹が入院してる間のこと?」


アッキーに言われて、もう一度よく考えた。


でも、分からなかった。


本当に、何も浮かばなかった。


そんな私にアッキーは言った。


「今日、放課後暇か?」


「え、うん」


アッキーは私の頭にポンっと手をおいて笑った。


「出かけるぞ」


は?


出かける?


どこに?


そう聞こうとしたとき、ガチャッと玄関が開く音がした。


パッと玄関の方を見ると、夏樹があくびをしながら出てきた。


相変わらず眠そうだけど、元気そうな夏樹を見て私は微笑んだ。


「おはよう」


夏樹は私とアッキーを交互に見てコクッと頷くだけ。


そして私とアッキーから目をそらして先々と歩いていく。


「ちょっ!待てや夏樹!」


「…朝からうるさい」


ギャーギャーとわめきながら追いかけるアッキーから目をそらしたまま、悪態をつく夏樹。


そんな2人がいきいきしていて私も思わず追いかけた。

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