アサガオを君へ
1人で廊下を歩きながら、私は去年までのことを思い出していた。


夏樹を保健室に迎えに行くって2回目だな。


高校に入学したばっかりのとき。


急に夏樹が熱を出したんだっけ。


夏樹の両親は共働きで、お母さんの方はいつも定時には帰ってるんだけど、たまたまその日は大事な会議が入っていた。


どっちも迎えに来ることができなかった。


夏樹は1人で帰れるって言ったけど、心臓病の夏樹を1人で帰らせるわけにはいかなくて。


私がお願いされたんだ。


夕方の。みんなが帰った後に、保健室まで迎えに行った。


保健室の先生は夏樹の容態を私に話すと、職員会議に行った。


保健室のベッドのカーテンを開けると、少し赤い顔をした夏樹が横になっていた。
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