アサガオを君へ
「あれは本当に痛かった。初めて心に怒られた上に叩かれたからな。でもあのとき言われた言葉は全部覚えてるぞ」


今まで前を向いていた私は、パッと夏樹の方を向いた。


あのときはお互い腹も立っていたから、私ですら何を言ったか覚えていない。


夏樹は得意げに顔を上げて言った。


「「夏樹が自分で自分を比べて悲しんでるだけじゃない。心臓病なんだからある程度の特別扱いはされるのが当たり前なの。普通なの。生死が関わることで特別扱いしないことの方が特別扱いしてるの。夏樹の言う通り、これが栄治なら私も止めてない。でも夏樹は栄治とは違うでしょう。そのことがまだ分からないの?」ってまくし立てながら言ってたよ」


「……覚えてない。そんな感じのことは言ったような気がするけど、そんなに細かくは覚えてない」
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