アサガオを君へ
私は、ああっと声をもらして言った。



「これ、昔、夏樹と言ったことある。確か花火を打ち上げるときに事故が起きて、ずっとやってなかったよね?」


「そーそー!今年からまた始めるんだって!」


ふーんっと画面をスクロールしていると、紙飛行機を作っていたアッキーが食いついた。


「ええやん!!いこいこ!!」


「はぁ?あんたらは行きたいなら勝手にいきなよ。私たちは私たちで行くの!!」


「ほんまにバカやな!!祭りっていうんはな!みんなで行くから面白いんやで!」


あぁ…また後ろで言い争いが始まる…。


私は騒いでいて先生に怒られるのは避けたかったから、夏樹の肩を叩きながら言った。


「ノンちゃん、いいじゃん。確かにみんなで行った方が楽しいよ。…ねぇ、夏樹も行くでしょう?たこ焼き売ってるよ?」


私の言葉にブーっと頬を膨らましながらノンちゃんは納得した。


夏樹はパチっと目を開けて、無言で頷いた。
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