アサガオを君へ
私はクスッと笑う。


昔から人ごみが嫌いなくせに、お祭りだけは絶対に自分から私を誘ってきた。


たこ焼き!っと普段は見せないような表情を浮かべて、私の手を引っ張りながら歩行者天国になった道路を早足で進んでいく。


このお祭りがなくなって、すごく落ち込んでたのが懐かしい。


もう目をつぶってしまった夏樹を見ていると、パタンっとヨウチンが本を閉じて呟いた。


「たこ焼き…」


え?


私は夏樹からヨウチンに目を移す。


するとあからさまに、ヨウチンは目を輝かせている。


もしかして…。


「ヨウチン、たこ焼き好きなの?」


そう聞くと、ヨウチンはキラキラと目を輝かせていつも以上にキリッとした顔で言った。


「好き。お祭りには必要不可欠な食べ物だ」
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