きれいな恋をしよう
「お兄さあ」

「あ?」

「彼女作んないの?」

・バイト。

・本を読む。

・フミオたちと会う。

・ギターを練習してみる。

「彼女のいる人間の生活パターンだと思うか」

「思えない」

 思えない、ときた。「思わない」じゃない。
 やれやれ。
 妹が本をとじて台所へ移動し、しばらくしておれと同じように、ただおれよりは控え目に氷を入れたコップを持ってきた。
 その色から、それが『午後の紅茶』であることが瞬時にわかった。
 おれは呆れてなにもいわない。
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