きれいな恋をしよう
「作ればいいのに、彼女。その歳で彼女いないのって、イタいよ」

 妹が耳の痛いことをいった。

「おまえだって彼氏いないだろう」

「彼氏くらいいるよ。中学校のときからいたよ」

 初耳だ。

「初耳だ」

 おれは思ったことを素直に口に出した。

「いってないもん」

「だれだ?」

「どっち?」

「この際、過去の話は置いとこう」

「吹奏楽部のやつだよ」

 …ああ、あ-。部活の男子か。
 こいつ、そうか、さっきからなんだと思っていたら、そうか、おれにそれを告白するための伏線だったのか。
 こすいというか、なかなか面倒くさく成長したもんだ。
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