きれいな恋をしよう
 正直どうでもいいんですよ、他人の恋愛なんて。

 おれとフミオが知りあって、今年でちょうど10年になる。
 小学生以来のつきあいだ。

 いつもならここにもうふたり、
 きょうはバイトで欠席してるけど、沖縄の血を引くコチンダ(難しいので漢字は省略)という男と、身長140センチに満たないリトル・ボーイ村田が加わる。
 それぞれ高校からべつべつの進路にすすんだものの、それでも中学卒業から4年以上のあいだ、週1、2程度のインターバルで会う日々がつづいている。

 村田はおれたちの関係を《腐れきった縁》と表現する。
 いいえて妙だ。人間関係、ほどほどがよろしい。
 腐れると醗酵して糸をひいて、なかなか離れられなくなる。
 とくに鮮度は落ちるね。

 おそらくこれからも、こんな調子でつづいていくのだろう。

 それはそれでいいんだけど。

 問題は、フミオがさいきん色気づいてきたことだ。
< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop